市民連合あだちとしての振り返り
★都知事選の投票率と傾向
・2020年都知事選と比較して、投票率が5%ほど上がって、60.62%になった。石丸効果の影響と安野さんのようなしっかりとした主張を持った若手の候補がでたことが影響しているのでは。
・その中で足立区は53.67%の投票率で前回の49.58%を4%上回った程度で、東京と全体と比べると、盛り上がりに欠けていた。
・前回都知事選(2020年宇都宮氏)に比べ蓮舫氏は44万票増の128万票(3位)、現職小池氏は75万票減の291万で票当選となった。次点は石丸氏165万票。
・東京と全体においての足立区の投票傾向でみると小池への投票が23区の中で一番で、このことは前回においても同じであった。
★戦略と運動
・小池氏当選の要因は、争点を隠し(裏金問題の自民党のステルス作戦、討論回避でスキャンダル逃れなど)、現職の実績を強調し(所得制限を外した高校授業料の実質無償化、0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」。公約にも保育料無償化の第1子までの拡大など)、現職有利で票を取ったことによる。
・蓮舫氏の敗因は、国政の問題からスタートした運動が都知事選という自治体の選挙にそぐわなかった。都民の生活に密着した政策が打ち出せず無党派層に支持を拡大できなかった。(蓮舫氏2割)
・石丸現象(反自民、反野党の受け皿の伸び。2位)をどうみるか。争点不明確化によって、反自民・「野党嫌い」の第3勢力が大きな票をとっていくここ十数年の傾向にならい、その役回りが石丸氏となった(「政治屋の一掃」というスローガン)。
・新しい動きとして「ひとり宣伝」など市民の創意あふれる選挙活動は新しい局面を切り開いた。ボトムアップ型の候補者選び、政策づくり、創意あふれる選挙活動、都議補選まで含む市民と野党共闘は「新しい民主主義」と言われるように、質量共に(ひとり宣伝が600を超える駅、3千人以上と言われるように)きわめて多くの市民が参加する新局面を開けた。
★事務局会議で出された意見から
・無党派層には自分を不快にさせるものは嫌とする価値観がある。後半、神宮外苑問題やプロジェクションマッピングの問題を取り上げたが有権者に刺さるものがなかった。特にこの足立区ではそれが強い。
・ユーチューブやその他のSNS戦略が圧倒的に立ち遅れていた。
・ストリートビューや一人街宣、シール投票などの取り組みも出てきて、運動方法の広がりは生まれつつある。
⑵ 都議補選について
★データ紹介(小野)
・候補者別投票数 銀川ゆい子 141,326 榎本ふみこ 140,564
投票総数 303,267 有効投票 281,890 無効投票 21,317
762票差の僅差で当選。無効投票が21317 と多かった。そのうち白票が15,051(約5%)と補選に関して無関心層がかなりいたようである。
⑶ 今後の選挙運動を進めるための戦略
・これまでの方式での街頭宣伝
・SNSを戦略的に使う⇒そのために、SNS戦略を担える人材の発掘が急務
・市民を巻き込みやすくするために一人街宣を含む小集団での街頭活動
・配布物やパネルなどの工夫
・ストリートビューの活用
・シール投票を通じて、無党派層や若者との対話を進める。